武蔵国入間郡村誌/水子村

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武蔵国入間郡村誌水子村項の現代語訳。水子村は入間郡に属するが、後に針ヶ谷村と合併して入間郡水谷村となり、さらに昭和十九年に水谷村・宗岡村・内間木村・志木町が合併して北足立郡志紀町となった。そのため、ここに取り上げるものである。

現代語訳=シラキのコホリのツカサ

水子(みつこ)村

本村は昔、三芳野郷・仙波庄・河越領に属す(領は河越と見えるが、今、その言い方を伝えない)。

疆域

東から北は新河岸川を隔てて宗岡村および南畑村と相対する。南は新座郡志木宿と柳瀬川を挟んでいる。西は針ヶ谷村および南畑村の飛地と耕地を接する。

幅員

  • 東西17町50間
  • 南北16町2間

管轄沿革

  • 天正十八年庚寅(1590年):徳川氏に属する
  • 正保のころ:代官俗地(507石9斗2升)三浦八兵衛(100石)杉浦忠左衛門(200石)柴山小兵衛(45石)の采知となる
  • 元禄七年甲戌(1694年):すべて松平美濃守の封土に代わる
  • 宝永元年甲申(1704年):秋元但馬守が代わって領する
  • 明和四年丁亥(1767年):松平大和守の領地となる
  • 明治二年己巳(1869年):高1340石4斗1升1合、前橋藩となる
  • 明治四年辛未(1871年):前橋県となり、さらに入間県に属する
  • 明治六年癸酉(1873年):熊谷県に属する

里程

  • 熊谷県庁より南方12里15間(字久保新田より測る)
  • 四隣:宗岡村へ25町58間5尺、針ヶ谷村へ13町23間、志木宿へ23町21間、南畑村へ22町57間
  • 近傍宿町:新座郡大和田町へ1里10町

地勢

  • 平坦。
  • 東南北に川を帯び、運輸に便利。
  • 薪・炭は乏しい。

地味

  • 色、赤・黒。稲・粱に適さない。菽(豆)・麦に応じる。
  • 水は利便である。ときどき水害を被る。

税地

  • 田:75町2反3畝25歩
  • 畑:155町8反6畝9歩
  • 総計:231町5反9歩

飛地

本村の南方、志木宿の内、畑1反歩

字地

  • 打越(うちこし):村の西方にある。東西3町24間半、南北1町10間。
  • 打越下(うちこしした):打越の北に連なる。東西2町2間半、南北1町5間。
  • 山崎(やまさき):打越下の東北に連なる。東西1町40間、南北2町33間半。
  • 山崎前(やまさきまへ):山崎の東北に連なる。東西1町12間、南北2町13間。
  • 新田下(しんでんした):山崎前の東に連なる。東西1町40間、南北2町17間。
  • 本郷橋(ほんがうはし):新田下の東に連なる。東西1町、南北2町32間。
  • 本郷(ほんがうはし):新田下の南に連なる。東西1町、南北1町53間。
  • 西桜井(にしさくらゐ):本当の西南に連なる。東西1町52間、南北2町33間。
  • 東小原(ひがしこはら):西桜井の西南に連なる。東西1町22間、南北3町29間。
  • 西小原(にしこはら):東小原の西南に連なる。東西1町18間、南北2町32間。
  • 大原(おおはら):東小原の東南に連なる。東西2町40間半、南北1町50間。
  • 松山(まつやま):東小原の東に連なる。東西2町41間半、南北45間。
  • 地蔵山(ぢどうやま):松山の東北に連なる。東西1町35間、南北59間。
  • 東桜井(ひがしさくらい):地蔵山の北に連なる。東西1町55間、南北1町44間。
  • 氷川前(ひかはまへ):東桜井の東北に連なる。東西1町40間、南北2町8間半。
  • 西北側(にしきたがわ):本郷橋の東に連なる。東西1町37間、南北1町25間。
  • 東北側(ひがしきたがわ):西北側の東に連なる。東西1町27間、南北1町48間。
  • 寺下(てらした):東北側の東に連なる。東西1町50間、南北2町20間半。
  • 東前(ひがしまへ):寺下の東に連なる。東西1町2間、南北1町15間。
  • 町谷前(まちやまへ):東前の東南に連なる。東西48間、南北5町10間半。
  • 久保新田(くぼしんでん):村の中央元標位置。東西1町40間、南北3町30間。
  • 寺前(てらまへ):久保新田の西に連なる。東西2町10間、南北3町10間。
  • 永久保(ながくぼ):氷川前の南に連なる。東西1町10間、南北1町15間半。
  • 杉ノ内(すぎのうち):松山の南に連なる。東西2町26間、南北2町。
  • 松原(まつはら):大原の南に連なる。東西4町46間、南北1町10間。
  • 並木裏(なみきうら):松原の東南に連なる。東西3町33間、南北1町18間。
  • 小作(こさく):並木裏の東に連なる。東西3町52間、南北1町25間。
  • 京塚:寺前の南に連なる。東西1町32間、南北2町42間。
  • 東石井(ひがしいしゐ):久保新田の南に連なる。東西2町3間、南北1町38間。
  • 谷ツ合(やつあひ):町谷前の南に連なる。東西1町20間、南北1町50間半。
  • 神明(しんめい):東石井の東に連なる。東西1町30間、南北2町10間。
  • 観音前(くわんおんまへ):谷合の東に連なる。東西1町21間、南北1町52間。
  • 山下(やました):城ノ下の北に連なる。東西5町41間、南北24間。
  • 北袋(きたふくろ):山下の東に連なる。東西7町15間、南北44間。
  • 城ノ下(しやうのした):北袋の西南に連なる。東西2町50間、南北1町25間。
  • 岡ノ坂(おかのさか):城ノ下の南に連なる。東西1町16間、南北2町20間。
  • 前河岸前(まえがしまえ):前沼の東に連なる。東西55間半、南北4町15間。
  • 高芝(たかしば):三丁目の北に連なる。東西1町46間、南北1町31間。
  • 三丁目(さんちょうめ):高芝の南に連なる。東西2町44間、南北1町55間。
  • 大三丁目(おおさんちょうめ):三丁目の南に連なる。東西3町4間、南北1町2間。
  • 姥袋(うばぶくろ):三丁目の西に連なる。東西5町50間半、南北30間。
  • 前沼(まへぬま):姥袋の西北に連なる。東西1町58間、南北2町30間。
  • 永島(ながしま):前沼の西北に連なる。東西2町26間、南北1町2間。
  • 谷前(やつまへ):永島の西に連なる。東西1町2間、南北2町40間。
  • 牛子(うしこ):谷前の西に連なる。東西1町52間、南北3町26間。
  • 石橋(いしはし):谷前の南に連なる。東西3町5間、南北44間。
  • 砂押(すなおし):石橋の南に連なる。東西2町31間、南北2町9間。
  • 石井前(いしゐまへ):砂押の西北に連なる。東西55間、南北4町14間。
  • 石井(いしゐ):京塚の南に連なる。東西1町36間、南北3町21間。
  • 東台(ひがしだい):石井の西に連なる。東西1町55間、南北3町59間。
  • 台(たい):東台の西に連なる。東西1町49間、南北2町34間。
  • 東並木(ひがしなみき):台の西に連なる。東西2町27間、南北1町22間。
  • 西並木(にしなみき):東並木の西に連なる。東西3町42間、南北1町22間。
  • 西原(にしはら):西並木の南に連なる。東西4町24間、南北1町18間。
  • 北別処:西原の東に連なる。東西2町29間、南北2町36間。
  • 正網(せやうあみ):台の南に連なる。東西2町5間、南北3町15間。
  • 薬師下(やくしした):正網の東に連なる。東西2町10間、南北1町30間。
  • 台下(だいした):薬師下の東北に連なる。東西2町3間、南北2町23間。
  • 北土井(きたどゐ):石井前の南に連なる。東西1町10間、南北3町59間。
  • 南土井(みなみどゐ):砂押の南に連なる。東西45間、南北1町50間。
  • 榎町(えのきまち):南土居の西南に連なる。東西3町26間、南北1町2間。
  • 向山前(むかふやままへ):榎町の北に連なる。東西3町、南北1町25間。
  • 別処前:向山前の南に連なる。東西1町30間、南北2町30間半。
  • 別処:別処前の北に連なる。東西2町38間、南北1町32間。
  • 栗谷(くりやつ):別処の西に連なる。東西3町25間半、南北1町18間。
  • 西松原(にしまつはら):栗谷の西に連なる。東西2町25間、南北1町35間。

貢租

  • 地租:米298石4斗3升4合、金225円72銭1厘
  • 賦金:金121円45銭
  • 総計:米298石4斗3升4合、金347円17銭1厘

戸数

  • 本籍:266戸(平民)
  • 社29戸(村社1坐、平社28坐)
  • 寺9戸(真言宗8宇、日蓮宗1宇)
  • 総計304戸

人口

  • 男:738口
  • 女:768口
  • 総計:1506口(他、出寄留 男9人、女2人、外寄留 男2人、女2人)

牛馬

  • 牡馬:15頭

舟車

  • 高瀬舟:2艘
  • 艜船(ひらたぶね):27艘
  • 川下小舟:3艘
  • 免税小舟:2艘
  • 荷車:180両(大八2両、中車120両、免税車58両)
  • 総計:船34艘、車180両

山川

  • 新河岸川:赤間川の末流。一名を内川という。深いところ1丈8尺、浅いところ3尺。広いところ20間、狭いところ11間。緩流、濁りは薄い。舟・筏を通す。村の西北、鶴馬村との境界から来て、南方、志木宿に入る。長さ57町19間3尺。
  • 柳瀬川:深いところ1丈5尺、浅いところ1尺5寸、広いところ25間、狭いところ10間。急流。濁りは薄い。堤防あり。村の西南、針ヶ谷村との境界から来て南方志木宿に入る。長さ39町15間3尺。
  • 悪水堀:深いところ3尺、浅いところ1尺、広いところ1丈2尺、狭いところ8尺。村の西北、鶴馬村から来て新河岸川に入る。長さ16町37間。田の悪水を注ぎ下す。
  • 河岸場:新河岸川に沿って、3か所ある。東京出入りの荷積場である。安永二年(1773年)2月から納税する。
  • 橋:東京往還に属し、村の南方、柳瀬川の中流に架す。長さ8間3尺、幅9尺。土造。
  • 橋:東京往還に属し、村の東南、柳瀬川の下流に架す。長さ6間、幅6尺。石造。

森林

  • 林:官有に属する。東西35間・南北4間・反別7畝18歩。村の南方、字正網にある。小さい木が繁茂している。
  • 林:官有に属する。東西12間3尺・南北7間5尺・反別2畝20歩。村の北方、字寺前にある。小さい木が繁茂している。

湖沼

  • 井沼:東西8間・南北7間・周回56間。村の南方にある。
  • 前沼:東西32間・南北12間・周回6町24間。村の東南にある。

道路

  • 東京往還:村の西北、鶴馬村との境界から東南、志木宿との境界に至る。長さ30町29間、幅1丈。
  • 川越道:村の南方、志木宿との境界から西北、鶴馬村との境界に至る。長さ30町29間3尺、幅1丈3尺。
  • 所沢道:村の東方、河岸場から西方、藤久保村との境界に至る。長さ18町5間、幅2間半。
  • 掲示場:村の中央にある。

堤塘

  • 堤:柳瀬川に沿い、村の西南、針ヶ谷村との境界から本村、字石橋に至る。長さ15町15間、馬踏5尺、堤敷6間。根堅めに松の樹がある。修繕費用、大破は官に属し、小破は民に属する。

神社

  • 氷川社:村社。社地は東西30間、南北21間、面積630坪。素戔嗚尊を祭る。弘治元年(1555年)4月5日勧請。祭日3月15日。
  • 八幡社:平社。社地は東西30間、南北15間、面積450坪。村の南方にある。誉田別尊を祭る。祭日8月15日。
  • 神明社:平社。社地は東西15間、南北13間、面積195坪。村の東方にある。天照大神を祭る。文禄元年(1593年)9月勧請。祭日3月15日。
  • 諏訪社:平社。社地は東西13間、南北9間半、面積117坪。村の東方にある。武甕槌命を祭る。貞享三年(1686年)2月勧請。祭日2月27日。
  • 氷川社:東西18間、南北8間、面積144坪。村の西北にある。素戔嗚尊を祭る。天正元年(1573年)9月勧請。祭日3月15日。
  • 浅間社:東西21間半、南北21間、面積4441坪。村の西北にある。木花開耶姫命を祭る。永禄二年(1559年)6月勧請。祭日9月9日。
  • 天神社:東西25間、南北13間、面積325坪。村の北方にある。菅原道真を祭る。永禄二年(1559年)2月勧請。祭日2月21日。
  • 日枝社:東西11間半、南北16間、面積176坪。村の西南にある。大山祇命を祭る。祭日6月15日。
  • 八幡社:東西5間、南北3間、面積15坪。村の西南にある。誉田別尊を祭る。祭日8月15日。
  • 江ノ島社:東西1間、南北2間、面積2坪。村の西南にある。祭日3月1日。
  • 大六社:東西9間半、南北5間、面積45坪。村の西南にある。大六天を祭る。祭日7月15日。
  • 神明社:東西11間、南北6間、面積66坪。村の南方にある。天照大神を祭る。祭日2月13日。
  • 愛宕社:東西11間半、南北3間半、面積33坪。村の西北にある。軻遇突智命を祭る。祭日6月15日。
  • 稲荷社:東西18間、南北5間半、面積90坪。村の西北にある。稲倉魂命を祭る。祭日6月15日。
  • 稲荷社:東西11間半、南北8間半、面積88坪。村の西北にある。同上。
  • 稲荷社:東西10間半、南北9間半、面積90坪。村の北方にある。同上。
  • 稲荷社:東西7間、南北8間、面積56坪。村の西北にある。同上。
  • 稲荷社:東西5間、南北8間、面積40坪。村の西方にある。同上。
  • 稲荷社:東西6間、南北5間半、面積30坪。村の東南にある。同上。
  • 稲荷社:東西8間、南北3間、面積24坪。村の東方にある。同上。
  • 稲荷社:東西9間半、南北4間、面積36坪。村の東方にある。同上。
  • 稲荷社:東西9間半、南北7間、面積63坪。村の西南にある。同上。
  • 稲荷社:東西5間半、南北5間、面積56坪。村の西南にある。同上。
  • 稲荷社:東西4間半、南北1間半、面積4坪。村の西南にある。同上。
  • 稲荷社:東西6間半、南北6間、面積36坪。村の西南にある。同上。
  • 稲荷社:東西8間、南北6間、面積48坪。村の南方にある。同上。
  • 稲荷社:東西7間、南北3間半、面積21坪。村の南方にある。同上。
  • 稲荷社:東西11間半、南北8間、面積88坪。村の北方にある。同上。
  • 稲荷社:東西9間、南北6間半、面積54坪。村の東方にある。同上。

仏寺

  • 大応寺:東西74間、南北36間、面積2664坪。村の北方にある。新義真言宗。山城国醍醐報恩院の末派である。開基・創建不詳。『新編武蔵風土記稿』に、「中興開山 宥勝、貞享二年(1685年)6月示寂」と載っている。
  • 性蓮寺:東西66間、南北28間、面積1848坪。村の南方にある。日蓮宗。安房国小湊誕生寺の末派である。西の傍らに喬樹が鬱蒼とした中に難波田弾正の墓がある。『新編武蔵風土記稿』には「正蓮寺」と書かれている。「開山 日性、永正二年(1505年)3月2日示寂」と載っている。
  • 薬師寺:東西21間、南北20間、面積420坪。村の南方にある。新義真言宗。大応寺の末派である。
  • 阿弥陀堂:東西19間、南北17間、面積323坪。村の東方にある。天正十九年(1591年)3月創建した。空海の書いた弥陀仏を安置している。
  • 観音堂:東西16間、南北5間半、面積88坪。村の東方にある。
  • 不動堂:東西15間、南北13間、面積195坪。村の西南にある。
  • 地蔵堂:東西12間、南北7間、面積84坪。村の南方にある。
  • 観音堂:東西8間、南北8間、面積68坪。村の西南にある。
  • 地蔵堂:東西20間、南北10間、面積200坪。村の西方にある。

学校

  • 公立小学校:村の北方、大応寺を仮用する。生徒 男53人、女11人。

役場

  • 村事務所:村の西北、戸長宅舎を仮用する。

物産

  • 米:505石6斗
  • 大豆:436石5斗
  • 小麦:285石
  • 甘藷:13万5950貫目

民業

  • 男は農工を専らとし、女は農を専らとする。

注記


武蔵国郡村誌
武蔵国新座郡誌
武蔵国新座郡村誌
大和田町 - 野火止村 - 菅沢村 - 西堀村 - 北野村 新座市北部
志木宿 志木市南部
上内間木村 - 下内間木村 - 宮戸村 - 田島村 - 浜崎村 - 溝沼村 - 岡村 - 根岸村・台村 朝霞市の大半
上新倉村 - 下新倉村 - 白子村 和光市
橋戸村 練馬区大泉町付近
膝折村 朝霞市膝折
片山村 新座市南部
上保谷村 - 上保谷新田 - 下保谷村 西東京市東部
小榑村 練馬区大泉学園町西大泉南大泉付近
武蔵国入間郡村誌より
針ヶ谷村 - 水子村 現富士見市内
宗岡村 志木市北部