武蔵国新座郡村誌/白子村

提供:シラキのコホリ

武蔵国新座郡村誌白子村項の現代語訳。

現代語訳=シラキのコホリのツカサ

白子村(しらこ)

本村はいにしえ広沢庄野方領に属する。直轄代官支配していた地を単に「白子村」といい、給地を「下白子村」と称して区域を成していたが(本郡橋戸村の条を併せて見ること)、維新の後、下白子の呼称を廃して、一村だけという体裁に改めた。

疆域

東は豊島郡成増村と悪水工作場路が境界となっており、南は豊島郡下土支田村に接し、西は本郡橋戸小榑の両村と入りまじり、北は本郡下新倉と隣り合っている。

幅員

  • 東(字市場から)西(字向山至る)31町
  • 南(字午房から)北(字宿に至る)12町

管轄沿革

  • 徳川氏東遷の明年すなわち天正十九年辛卯11月、伊賀組(あるいは伊賀者衆と称し、与力同心の一種であって、江戸四ツ谷伊賀町に住んだ者がこれである)に賜った後、新たに開墾した地を代官の支配とした。(『武蔵国田園簿』に、高145石6斗6升 伊賀衆知行外永1貫636文野銭 野村彦太夫御代官所とある)
  • 今、古村高352石2升6合9勺あって、その94石2斗8升8合は代官の支配、257石7斗3升8合9勺は伊賀組の給地である。
  • 徳川氏の末に至り、直轄の地は代官・松村忠四郎が支配した。
  • 維新の際、ともに武蔵知県事に属する。
  • 明治二年己巳(1869年)2月、品川県の管轄となる。
  • 明治四年辛未(1871年)11月、入間県に属する。
  • 明治六年(1873年)6月、熊谷県の所轄となる。

里程

  • 熊谷県庁より南少し東13里4町。
  • 四隣:豊島郡成増村(中央)へ10町。本郡橋戸村(中央)へ26町。豊島郡下土支田村(中央)へ15町。本郡下新倉村(中央)へ18町。(元標は川越街道にあって、本村東入口郡境をへだてること2町26間1尺にある。

地勢

  • 東南の辺境はやや平坦。西北は丘岡であって林が多く、川越街道がその中央を東南から西北に横断している。運輸に便利。炭・薪も余嬴がある。

地味

  • 色は赤・黒の2種。赤土は甘藷に適し、黒土は菽・麦によろしい。水田は冷水があるため苦しむ。田畑とも概してその質は中味にある。

税地

  • 田:20町7反20歩
  • 畑:92町2反4畝
  • 総計:113町2畝20歩

※村吏録申による

飛地

  • 本村の南の方、豊島郡下土支田村の内、畑(9反1畝2歩)、西の方4町を離れて林(17町7反2畝歩)

字地

  • 宿(しゅく):村の中央にある。東西6町、南北5町30間。
  • 城山(しろやま):宿の東に連なる。東西4町、南北5町50間。
  • 市場(いちば):城山の東に連なる。東西6町40間、南北4町。
  • 午房(ごぼう):宿の西南に連なる。東西7町30間、南北10町30間。

貢租

  • 地租:米145石3斗、金98円40銭9厘
  • 賦金:金73円73銭
  • 総計:米145石3斗、金172円22銭2厘

戸数

  • 本籍:132戸(平民)
  • 社:1戸(村社)
  • 寺:1戸(天台宗)
  • 堂:1戸
  • 総計:135戸

人口

  • 男:402口(平民)
  • 女:415口(平民)
  • 総計:817口

牛馬

  • 牡馬:8頭

舟車

  • 人力車:12両
  • 荷車:54両
  • 農車:10両
  • 総計:76両

山川

  • :里俗に大川と唱えて公称なし(『新編武蔵風土記稿』その他の書に白子川の名があるため、これを土豪の村吏・富沢某に直接質問したが、ないと断言したため、このように記した。上流の橋戸、下流の下新倉の両村についても併せて見ること)。深いところ二尺、幅4間。西の方、橋戸村から来て本村の南部を貫流し、あるいは成増村の境界を東に流れて下新倉村に入る。その間11町30間。
  • :川越街道に属する。村の南辺、字大川に架かっている。長さ4間半、幅2間。土造。

森林

  • 林:広沢原といい、民有に属する。東西8町20間・南北5町20間・反別39町5反9畝。村の西端にある。

道路

  • 川越街道:東の方、豊島郡成増村との境界から西の方、新座郡下新倉村との境界に至る。長さ6町21間、幅4間。
  • 掲示場:本村東口から3町にある。

神社

  • 熊野社:村社。社地は東西57間・南北50間・面積2009坪。本村の北の方にある。伊弉諾尊・天照大日孁命・熊野加武呂命を祭る。祭日2月28日・9月28日。また境内に富士社その他の小祠がある。

仏寺

  • 地福寺:東西35間・南北53間8歩・面積1188坪。天台宗 入間郡小仙波村喜多院の末派である。本村の北の方にある。開基・中興・創立年暦未詳。

学校

  • 公立小学校:村の西の方にある。生徒 男48人、女40人。

村事務所

  • 村の中央にある。富沢某の自宅を用いる。

郵便局

  • 当時郵便取扱役の自宅を用いる。

物産

  • 米:224石6斗2升3合
  • 大麦:657石2斗1升5合
  • 小麦:238石9斗8升5合
  • 大豆:124石1斗7升7合
  • 粟:27石3斗7升
  • 黍:74石6斗7升
  • 稗:100石3斗3升
  • ソバ:103石5斗6升

麦は粉・麺などに製して東京に輸出している。

民業

  • 男女とも農業を専らとする。

注記


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