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*浜崎(朝霞市)
*浜崎(朝霞市)


以下、新座郡内の地名が言及されている箇所の原文を示す。<ref>[https://dl.ndl.go.jp/pid/885774/1/58 大月隆『廻国雑記』文学同志会、明治32年9月、pp.106-139]を底本としたが、文字は新字体とし、一部句読点を変更した。また、当郡と関係のないエリアは地名のみを記した。</ref>
以下、新座郡内の地名が言及されている箇所のみの抜粋である。
 
==廻国雑記 新座郡関連の原文==
===廻国雑記 新座郡関連の原文===
 
''以下の内容についての原文は、[[廻国雑記/原文]]を参照''
''以下の内容についての原文は、[[廻国雑記/原文]]を参照''


==廻国雑記 新座郡関連の現代語訳==
===廻国雑記 新座郡関連の現代語訳===


*近江国→若狭国→越前国→加賀国→能登国→越中国→越後国→上野国→武蔵国→下総国→→上総国→安房国→相模国→下野国→常陸国→下総国→武蔵国→相模国→伊豆国→駿河国→相模国→武蔵国(霞ノ関→恋ヶ窪→)
*近江国→若狭国→越前国→加賀国→能登国→越中国→越後国→上野国→武蔵国→下総国→→上総国→安房国→相模国→下野国→常陸国→下総国→武蔵国→相模国→伊豆国→駿河国→相模国→武蔵国(霞ノ関→恋ヶ窪→)
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:ゆふけふりあらそふくれを見せてけり わがいへいへのむねをかのやと
:ゆふけふりあらそふくれを見せてけり わがいへいへのむねをかのやと
:夕煙が争うように立ち上る暮れの景色を見せている我が家々の棟(むね)――宗岡(むねおか)の宿だけに。
:夕煙が争うように立ち上る暮れの景色を見せている我が家々の棟(むね)――宗岡(むねおか)の宿だけに。


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佐西を出発して、'''武州大塚の十玉'''の場所<ref>ここでいう大塚は、現志木市柏町五丁目と幸町二丁目にまたがる大塚エリアと考えられる。大塚にはジゴク谷(十玉谷、地獄谷)と呼ばれる谷があり、十玉坊という修験道場があった。なお、十玉坊は後に富士見市水子、清瀬市芝山、富士見市下南畑へと移転した。</ref>へと向かったところ、途中の川や山々の風景が何度移り変わったことであろうか。その夜の宿にて、
佐西を出発して、'''武州大塚の十玉'''の場所<ref>ここでいう大塚は、現志木市柏町五丁目と幸町二丁目にまたがる大塚エリアと考えられる。大塚にはジゴク谷(十玉谷、地獄谷)と呼ばれる谷があり、十玉坊という修験道場があった。なお、十玉坊は後に富士見市水子、清瀬市芝山、富士見市下南畑へと移転した。</ref>へと向かったところ、途中の川や山々の風景が何度移り変わったことであろうか。その夜の宿にて、


:山攀峻険海波瀾:到処多其行路難
:山攀峻険海波瀾 到処多其行路難
:踈屋終宵風雪底:凍鶏喚夢月西寒
:踈屋終宵風雪底 凍鶏喚夢月西寒
 
 
:山ニ峻険ヲ攀ツ 海ニハ波瀾
:山ニ峻険ヲ攀ツ 海ニハ波瀾
:到ル処多クハ其レ行路難
:到ル処多クハ其レ行路難
:踈屋終宵風雪ノ底
:踈屋終宵風雪ノ底
:凍鶏夢ヲ喚テ月西ニ寒シ
:凍鶏夢ヲ喚テ月西ニ寒シ
 
 
:険しい山を登り、荒波を越えてきた。
:険しい山を登り、荒波を越えてきた。
:至る所、旅路は苦難のところが多い。
:至る所、旅路は苦難のところが多い。
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:一間乗興屡登楼 遠近江山分幾州
:一間乗興屡登楼 遠近江山分幾州
:落雁叫霜風颯々 白沙翠竹斜陽幽
:落雁叫霜風颯々 白沙翠竹斜陽幽
 
 
:一間興ニ乗リ屡々楼ニ登ル
:一間興ニ乗リ屡々楼ニ登ル
:遠近ノ江山 幾州ヲカ分ツ
:遠近ノ江山 幾州ヲカ分ツ
:落雁霜ニ叫ンデ 風颯々
:落雁霜ニ叫ンデ 風颯々
:白沙翠竹斜陽幽カナリ
:白沙翠竹斜陽幽カナリ
 
 
:興に乗じて何度も一間の楼に登る。
:興に乗じて何度も一間の楼に登る。
:遠近の山川がいくつもの国を分けている。
:遠近の山川がいくつもの国を分けている。
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: 閑庭雪
: 閑庭雪
:あといとふにはとて人のつれなくは とはぬこころのみちもうらみし
:あといとふにはとて人のつれなくは とはぬこころのみちもうらみし
: 静かな庭の雪
: 静かな庭の雪
:足跡を嫌がるような庭だからといって人が訪ねてこないなら、訪れない心の道筋も恨めしい
:足跡を嫌がるような庭だからといって人が訪ねてこないなら、訪れない心の道筋も恨めしい
 
 
: 霰妨夢
: 霰妨夢
:ふしわぶる篠のしの屋の玉あられ たまさかにだにみるゆめもなし
:ふしわぶる篠のしの屋の玉あられ たまさかにだにみるゆめもなし
: あられが夢を妨げる
: あられが夢を妨げる
:横になっても寝られないで我慢する(しのぶ)、篠(しの)でできた粗末な家に降る玉(たま)あられ。たまにしか見られない夢を見ることもできない。
:横になっても寝られないで我慢する(しのぶ)、篠(しの)でできた粗末な家に降る玉(たま)あられ。たまにしか見られない夢を見ることもできない。
 
 
: 年内待梅
: 年内待梅
:はるをまつこころよりさくはつ花を いつかふゆ木の梅にうつさん
:はるをまつこころよりさくはつ花を いつかふゆ木の梅にうつさん
: 年内に梅を待つ
: 年内に梅を待つ
:春を待つ心から咲くのが初花というもの。いつ冬の木の梅に心を移して咲かせようか。
:春を待つ心から咲くのが初花というもの。いつ冬の木の梅に心を移して咲かせようか。
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:きえにける玉のゆくゑとけさはみよ わかれしきみがみちしばのつゆ
:きえにける玉のゆくゑとけさはみよ わかれしきみがみちしばのつゆ
:「別れたあなたの道にある草の露こそ、消えてしまった玉の行方である」と今朝は思っていてください。<ref>この歌の解釈には自信がない。要検討。</ref>
:「別れたあなたの道にある草の露こそ、消えてしまった玉の行方である」と今朝は思っていてください。<ref>この歌の解釈には自信がない。要検討。</ref>


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:をとにきく野寺をとへばあとふりて こたふるかねもなきゆふべかな
:をとにきく野寺をとへばあとふりて こたふるかねもなきゆふべかな
:音に聞く(有名な)野寺を訪ねたが、寺は古びている。応える鐘の音もない夕暮れだな。
:音に聞く(有名な)野寺を訪ねたが、寺は古びている。応える鐘の音もない夕暮れだな。


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:わかくさのつまもこもらぬふゆされに やかでもかるる野火とめのつか
:わかくさのつまもこもらぬふゆされに やかでもかるる野火とめのつか
:若草のような愛する人も籠もっていない冬の枯れた景色に、焼かなくても火が止まる野火止の塚
:若草のような愛する人も籠もっていない冬の枯れた景色に、焼かなくても火が止まる野火止の塚


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:あき人はいかでたつらんひさをりの市に脚気(かつけ)をうるにぞありける
:あき人はいかでたつらんひさをりの市に脚気(かつけ)をうるにぞありける
:商人はどうして立っているのだろうか。「膝折」の市なのに。これが脚気(かっけ)を得(う)る/家器(かっけ)を売るということか。
:商人はどうして立っているのだろうか。「膝折」の市なのに。これが脚気(かっけ)を得(う)る/家器(かっけ)を売るということか。


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: 冬地儀
: 冬地儀
:をしなへて草木にかはるいろもなし たれかは六のはなとみるらむ
:をしなへて草木にかはるいろもなし たれかは六のはなとみるらむ
: 冬の地の情景
: 冬の地の情景
:どれもこれも草木に変わる色もない。誰がこれを六の花(雪の花)と見立てたのか。
:どれもこれも草木に変わる色もない。誰がこれを六の花(雪の花)と見立てたのか。
 
 
: 月前雪
: 月前雪
:すむ月の御ふねしつかに夜わたるや 千里はれゆくゆきのしらなみ
:すむ月の御ふねしつかに夜わたるや 千里はれゆくゆきのしらなみ
: 月の前の雪
: 月の前の雪
:澄んだ月に照らされた御船が静かに夜を渡っていくように、千里にわたって晴れ渡って見える雪が白波のようだ。
:澄んだ月に照らされた御船が静かに夜を渡っていくように、千里にわたって晴れ渡って見える雪が白波のようだ。
 
 
: 浪上千鳥
: 浪上千鳥
:網人のうけのつなてをよそに見て ちとりもともをひくなみちかな
:網人のうけのつなてをよそに見て ちとりもともをひくなみちかな
: 波の上の千鳥
: 波の上の千鳥
:網人が張った罠の引き縄などには目もくれず、千鳥も友を引き連れていく波路だな。
:網人が張った罠の引き縄などには目もくれず、千鳥も友を引き連れていく波路だな。
 
 
: 初尋縁恋
: 初尋縁恋
:たよりふく風になひかば はつおばな ほのめかしつついさこころみん
:たよりふく風になひかば はつおばな ほのめかしつついさこころみん
: 初めて縁を尋ねる恋
: 初めて縁を尋ねる恋
:風になびく初ススキのようがほんのり揺れるように、手紙になびいてくれるのなら思いをほのめかしながら試してみよう。
:風になびく初ススキのようがほんのり揺れるように、手紙になびいてくれるのなら思いをほのめかしながら試してみよう。
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:寒燈挑尽夜沈々 独臥空牀思禁セ不
:寒燈挑尽夜沈々 独臥空牀思禁セ不
:為我詩神如有感 松風生砌助愁吟
:為我詩神如有感 松風生砌助愁吟
 
 
:寒燈挑ケ尽シ夜沈々
:寒燈挑ケ尽シ夜沈々 独空牀ニ臥シ思ヒ禁ゼ不
:独空牀ニ臥シ思ヒ禁ゼ不
:我ガ為ニ詩神感有ルカ如シ 松風砌リニ生ジ愁吟ヲ助ク
:我ガ為ニ詩神感有ルカ如シ
 
:松風砌リニ生ジ愁吟ヲ助ク
 
:寒々しい灯火の芯を何度も掻き立てる夜は静まり返っている。
:寒々しい灯火の芯を何度も掻き立てる夜は静まり返っている。
:虚しい床に一人寂しく横たわると、様々な思いがこみ上げてくる。
:虚しい床に一人寂しく横たわると、様々な思いがこみ上げてくる。
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:危楼朝上百花鮮 交友無憐詩酒筵
:危楼朝上百花鮮 交友無憐詩酒筵
:此地逍遥似何処 乱山畳嶂雪嬋娟
:此地逍遥似何処 乱山畳嶂雪嬋娟
 
 
:危楼朝ニ上テ百花鮮ナリ
:危楼朝ニ上テ百花鮮ナリ 交友詩酒ノ筵ヲ憐ム無シ
:交友詩酒ノ筵ヲ憐ム無シ
:此地逍遥何レノ処ニカ似タル 乱山畳嶂雪嬋娟
:此地逍遥何レノ処ニカ似タル
 
:乱山畳嶂雪嬋娟
 
:朝、高い楼閣に登ってみれば、まるで百の花が咲いているかのように雪が鮮やかだ。
:朝、高い楼閣に登ってみれば、まるで百の花が咲いているかのように雪が鮮やかだ。
:しかし、詩・酒の席をともに楽しんでくれる親しい友がいない。
:しかし、詩・酒の席をともに楽しんでくれる親しい友がいない。
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: 川千鳥
: 川千鳥
:とま名川かせさえぬらんゆきかへり こほりをつくるさ夜ちとりかな
:とま名川かせさえぬらんゆきかへり こほりをつくるさ夜ちとりかな
: 川の千鳥
: 川の千鳥
:苫のない川は風が冴えているのだろう 行き帰りに氷を作る夜の千鳥だね
:苫のない川は風が冴えているのだろう 行き帰りに氷を作る夜の千鳥だね
 
 
: 懸樋水
: 懸樋水
:しはの戸ははやいでがての冬されに かけひの水もこほりとぢけり
:しはの戸ははやいでがての冬されに かけひの水もこほりとぢけり
: 懸樋の水
: 懸樋の水
:柴の庵の戸から早くも出づらい冬が来て、掛け樋の水も凍り付いてしまった
:柴の庵の戸から早くも出づらい冬が来て、掛け樋の水も凍り付いてしまった
 
 
: 炉火似春
: 炉火似春
:うづみ火の灰かきわけてむかふ夜は はるのひかりを手にまかせつつ
:うづみ火の灰かきわけてむかふ夜は はるのひかりを手にまかせつつ
: 炉の火は春に似ている
: 炉の火は春に似ている
:埋み火の灰をかき分けて向かい合う夜は、春の光が手中にあるようだ
:埋み火の灰をかき分けて向かい合う夜は、春の光が手中にあるようだ
 
 
: 依涙顕恋
: 依涙顕恋
:せきかぬるわがころもてのなみたゆへ 人のうき名もながれやはせん
:せきかぬるわがころもてのなみたゆへ 人のうき名もながれやはせん
: 涙によりて恋を顕わす
: 涙によりて恋を顕わす
:せき止められない私の袖の涙のせいで、あの人との噂も流れてしまわないだろうか
:せき止められない私の袖の涙のせいで、あの人との噂も流れてしまわないだろうか
 
 
: 山海眺望
: 山海眺望
:わたつうみのなみの千さとをへたてきて 山にも見るめからぬ日はなし
:わたつうみのなみの千さとをへたてきて 山にも見るめからぬ日はなし
: 山海眺望
: 山海眺望
:大海原の波の千里のかなたへやってきた。山にも「みるめ」(会う機会/海松布=海草)のない日はない。
:大海原の波の千里のかなたへやってきた。山にも「みるめ」(会う機会/海松布=海草)のない日はない。
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:さと人のくめくめ川とゆふぐれになりなば 水のこほりこそせめ
:さと人のくめくめ川とゆふぐれになりなば 水のこほりこそせめ
:里人が手で「汲む」久米久米川と「いう」「夕」暮れになったので、水も凍ってしまうだろう
:里人が手で「汲む」久米久米川と「いう」「夕」暮れになったので、水も凍ってしまうだろう


225行目: 202行目:
:従兼君別始看書 異国天涯千里余
:従兼君別始看書 異国天涯千里余
:忽憶帰期涙先落 待春遊子数居諸
:忽憶帰期涙先落 待春遊子数居諸
 
 
:兼テ従リ君ニ別レテ始テ書ヲ看ル
:兼テ従リ君ニ別レテ始テ書ヲ看ル 異国天涯千里ノ余
:異国天涯千里ノ余
:忽チ帰期ヲ憶フテ涙先ヅ落ツ 春ヲ待ツ遊子居諸ヲ数フ
:忽チ帰期ヲ憶フテ涙先ヅ落ツ
 
:春ヲ待ツ遊子居諸ヲ数フ
 
:お別れしてから初めて、あなたからのお手紙を拝見しました。
:お別れしてから初めて、あなたからのお手紙を拝見しました。
:ここは異国、空の果てのような千里の彼方です。
:ここは異国、空の果てのような千里の彼方です。
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:こころざしふかくそめつつなかむれは なをくれなゐの梅そいろそふ
:こころざしふかくそめつつなかむれは なをくれなゐの梅そいろそふ
:志を深く染めるように眺めると、いっそう紅色の梅が色鮮やかになる。
:志を深く染めるように眺めると、いっそう紅色の梅が色鮮やかになる。


248行目: 222行目:
:同遊相引歩徐々 靄霧阻山前路虚
:同遊相引歩徐々 靄霧阻山前路虚
:独木橋辺人不見 松間鐘動夕陽初
:独木橋辺人不見 松間鐘動夕陽初
 
 
:同遊相ヒ引テ歩ミ徐々
:同遊相ヒ引テ歩ミ徐々 靄霧山ヲ阻テ、前路虚
:靄霧山ヲ阻テ、前路虚
:独木橋辺人見ヘ不 松間鐘動ク夕陽ノ初メ
:独木橋辺人見ヘ不
 
:松間鐘動ク夕陽ノ初メ
 
:ともに旅する人々が手を引き合いながら、ゆっくりと歩んでいる。
:ともに旅する人々が手を引き合いながら、ゆっくりと歩んでいる。
:もやと霧が山を隠し、前方の道もよく見えない。
:もやと霧が山を隠し、前方の道もよく見えない。
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:山もとのむらのゆふぐれこととへば またほととをし入あひのかね
:山もとのむらのゆふぐれこととへば またほととをし入あひのかね
:山の麓の村の夕暮れどきに尋ねてみると、答える声もなく、またほど遠いところから夕暮れの鐘が聞こえてくる。
:山の麓の村の夕暮れどきに尋ねてみると、答える声もなく、またほど遠いところから夕暮れの鐘が聞こえてくる。


野遊のついでに、'''大石信濃守の館'''へ招かれて、蹴鞠などを楽しんで夜になったので、二十首の歌を催した際に、
野遊のついでに、'''大石信濃守の館'''へ招かれて、蹴鞠などを楽しんで夜になったので、二十首の歌を催した際に、


: 初春霞
:かさならぬはるの日数を見せてけり また一重なる四方のかすみは
: 初春の霞
: 初春の霞
:幾重にも重ならない春の arrived 日数を見せてくれたことだ。まだ一重(薄く)かかっている四方の霞は。
:四方の空に立ち込める薄い一重の春霞は、まだ幾日も重なっていない(始まったばかりの)初春の浅い日数を映し出している
 
 
: 帰る雁は幽かである
: 帰雁幽
:霞にかすんで、しばらくはその姿がうっすらと見えていたが、鳴き声ばかり残して消えていく一列の帰る雁よ。
:かすみつつ しばしすがたはほの見えて こえよりきゆるかりのひとつら
 
: 帰る雁の幽かさ
:春霞にかすんで、しばらく姿がうっすらと見える。声だけで消えていく雁の一列
 
: 浦春月
: 浦春月
:もしほやくうらわのけふりつつきなを かすみてかくせはるの夜の月
: 浦の春の月
: 浦の春の月
:塩を焼く海岸の煙が続いているのを、かすみで覆い隠しておくれ、春の夜の月よ。
:藻塩を焼く浦和の煙が漂い続けている。春の夜の月よ、霞んで隠せ。
 
 
: 夢中恋
: 夢中恋
:目が覚めてこそ思いの種となったのだなあ。かりそめのうたた寝で見た夢の儚い(浮き橋のような)出会いよ。
:さめてこそおもひのたねとなりにけれ かりそめぶしのゆめのうきはし
 
: 夢の中の恋
: 後朝恋(きぬぎぬの恋)
:かりそめのうたた寝で見た夢の逢瀬だったが、目が覚めてから一層思いの種となったのだ。
:手でかきやった涙の残る床での朝寝髪、愛しさに思い乱れる心は私の方が勝っていることだ。
 
: 後朝恋
:かきやりし涙のとこのあさねがみ おもひのすちはわれぞまされる
: 逢瀬の翌朝の恋
:手でぬぐった涙の残る床の朝寝髪、愛しさに思い乱れる心は私の方が勝っているよ


'''大石信濃守'''が、父の三十三回忌ということで様々なお弔い(法要)をしたとお聞きしたので、小さな経典を花の枝に結びつけてお送りするにあたって、
'''大石信濃守'''が、父の三十三回忌ということで様々なお弔い(法要)をしたとお聞きしたので、小さな経典を花の枝に結びつけてお送りするにあたって、


:散っていったのは三十三年目の花咲く春、今日この木の下(仏前)に弔いが訪れるのを待っていることでしょう。
:ちりにしは三十三とせの花のはる けふこのもとにとふをまつらん
:散っていったのは三十三年目の花咲く春、今日この木の下に弔いに訪れるのを待っていることでしょう。


武蔵野の端に'''浜さき'''朝霞市浜崎。という里があった。そこへ行って、
武蔵野の端に'''浜さき'''朝霞市浜崎。という里があった。そこへ行って、


:武蔵野をかき分けて行くと「浜崎」という里だとは聞くけれど、(海ではないので)立つ波もないことだ。
:むさし野をわけつつゆけば浜さきのさととはきけどたつなみもなし
:武蔵野をかき分けて行くと「浜崎」という里だと聞いたのだが、浜どころか立つ波もない。


この間長らく住み慣れた旅宿を出て甲州へ向かった際、住職が思いのほか名残惜しそうにしていたので、しばらく馬を止めて詠んで送った歌、
この間長らく住み慣れた旅宿を出て甲州へ向かった際、住職が思いのほか名残惜しそうにしていたので、しばらく馬を止めて詠んで送った歌、


:旅立って進む駒(馬)の足取りも、住み慣れた宿へと引き戻される思いであることよ。
:たびだちてすすむるこまのあしなみも なれぬるやとにひくこころかな
:旅立とうと進める馬の足取りも、住み慣れた宿に心がひかれる


*甲斐国→上野国→下野国→陸奥国(松島まで)
*甲斐国→上野国→下野国→陸奥国(松島まで)

2026年10月21日 (水) 21:56時点における最新版

廻国雑記(かいこくざっき/クワイコクザッキ)は、室町後期、聖護院門跡(しょうごいんもんぜき)の准三后(じゅさんごう)である道興准后(どうこうじゅごう、道興大僧正)の紀行文である。

文明十八年(1486年)6月~翌3月にかけて、北陸・関東・奥州を遊歴し、漢詩・和歌・俳諧などを交えた紀行文で、当時の各地の修験者の動向を知ることができる。

新座郡についての記載

廻国雑記の中では、新座郡エリアの地名も記載されている。特に大塚の十玉坊は当時の関東における修験道場の中心的存在であった。

  • 大塚の十玉坊(志木市)
  • 大石信濃守の館(志木市)
  • 野寺(新座市)
  • 野火止塚(新座市)
  • 膝折(朝霞市)
  • 浜崎(朝霞市)

以下、新座郡内の地名が言及されている箇所のみの抜粋である。

廻国雑記 新座郡関連の原文

以下の内容についての原文は、廻国雑記/原文を参照

廻国雑記 新座郡関連の現代語訳

  • 近江国→若狭国→越前国→加賀国→能登国→越中国→越後国→上野国→武蔵国→下総国→→上総国→安房国→相模国→下野国→常陸国→下総国→武蔵国→相模国→伊豆国→駿河国→相模国→武蔵国(霞ノ関→恋ヶ窪→)

むねおか[1]という場所を通りかかったときに、夕暮れの煙を見て詠んだ歌

ゆふけふりあらそふくれを見せてけり わがいへいへのむねをかのやと
夕煙が争うように立ち上る暮れの景色を見せている我が家々の棟(むね)――宗岡(むねおか)の宿だけに。
  • 堀兼の井[2]
  • 入間川
  • 佐西の観音寺[3]
  • くろす川[4]

佐西を出発して、武州大塚の十玉の場所[5]へと向かったところ、途中の川や山々の風景が何度移り変わったことであろうか。その夜の宿にて、

山攀峻険海波瀾 到処多其行路難
踈屋終宵風雪底 凍鶏喚夢月西寒

 

山ニ峻険ヲ攀ツ 海ニハ波瀾
到ル処多クハ其レ行路難
踈屋終宵風雪ノ底
凍鶏夢ヲ喚テ月西ニ寒シ

 

険しい山を登り、荒波を越えてきた。
至る所、旅路は苦難のところが多い。
粗末な小屋で一晩中風雪にさらされる。
凍える鶏の鳴き声に夢を破られ、月は西空に寒々しい。

ある時、大石信濃守[6]という武士の館へ遊びに訪れて歓談していたところ、庭前に高い楼閣があり、櫓なども兼ねているのであろうか、遠くの景色が非常に素晴らしく、数千里に及ぶ山川が眼前に尽きないかのように思われた。主人が盃を取り出して、日が暮れ過ぎるまで遊覧した際に詠んだ詩、

一間乗興屡登楼 遠近江山分幾州
落雁叫霜風颯々 白沙翠竹斜陽幽

 

一間興ニ乗リ屡々楼ニ登ル
遠近ノ江山 幾州ヲカ分ツ
落雁霜ニ叫ンデ 風颯々
白沙翠竹斜陽幽カナリ

 

興に乗じて何度も一間の楼に登る。
遠近の山川がいくつもの国を分けている。
落ちてくる雁は霜に叫び、風は颯々。
白い砂と緑の竹に斜陽がかすかにさしている。

十玉が坊にて、人々に二十首の歌を詠ませた時に、

 閑庭雪
あといとふにはとて人のつれなくは とはぬこころのみちもうらみし
 静かな庭の雪
足跡を嫌がるような庭だからといって人が訪ねてこないなら、訪れない心の道筋も恨めしい

 

 霰妨夢
ふしわぶる篠のしの屋の玉あられ たまさかにだにみるゆめもなし
 あられが夢を妨げる
横になっても寝られないで我慢する(しのぶ)、篠(しの)でできた粗末な家に降る玉(たま)あられ。たまにしか見られない夢を見ることもできない。

 

 年内待梅
はるをまつこころよりさくはつ花を いつかふゆ木の梅にうつさん
 年内に梅を待つ
春を待つ心から咲くのが初花というもの。いつ冬の木の梅に心を移して咲かせようか。

大塚を出発するにあたって、十玉へ贈った歌

きえにける玉のゆくゑとけさはみよ わかれしきみがみちしばのつゆ
「別れたあなたの道にある草の露こそ、消えてしまった玉の行方である」と今朝は思っていてください。[7]
  • 河越 最勝寺
  • 常楽寺[8]
  • 月よしという武士
  • うとふ坂[9]
  • すぐろ[10]

また、野寺[11]という場所がここにもある。ここも鐘の名所であるという。この鐘は昔、国内の戦乱によって土の底に埋め、そのまま掘り出さなかったという。

をとにきく野寺をとへばあとふりて こたふるかねもなきゆふべかな
音に聞く(有名な)野寺を訪ねたが、寺は古びている。応える鐘の音もない夕暮れだな。

このあたりに野火とめのつか[12]という塚があった。「けふはなやきそ(今日は焼かないで)」と歌を詠んだことによって、狼煙(野火)がたちまち燃え止まったといい[13]、それ以来、この塚を「野火止め」と名付けたのだと土地の人が申し上げたので、

わかくさのつまもこもらぬふゆされに やかでもかるる野火とめのつか
若草のような愛する人も籠もっていない冬の枯れた景色に、焼かなくても火が止まる野火止の塚

ここを通り過ぎて、膝をり[14]という里に市が立っていた。しばらく仮小屋で休んで、例によって俳諧を詠み、一緒に行く者に語った歌、

あき人はいかでたつらんひさをりの市に脚気(かつけ)をうるにぞありける
商人はどうして立っているのだろうか。「膝折」の市なのに。これが脚気(かっけ)を得(う)る/家器(かっけ)を売るということか。
  • (中略)

十玉が坊にて、三十首の歌を詠んだ際に、

 冬地儀
をしなへて草木にかはるいろもなし たれかは六のはなとみるらむ
 冬の地の情景
どれもこれも草木に変わる色もない。誰がこれを六の花(雪の花)と見立てたのか。

 

 月前雪
すむ月の御ふねしつかに夜わたるや 千里はれゆくゆきのしらなみ
 月の前の雪
澄んだ月に照らされた御船が静かに夜を渡っていくように、千里にわたって晴れ渡って見える雪が白波のようだ。

 

 浪上千鳥
網人のうけのつなてをよそに見て ちとりもともをひくなみちかな
 波の上の千鳥
網人が張った罠の引き縄などには目もくれず、千鳥も友を引き連れていく波路だな。

 

 初尋縁恋
たよりふく風になひかば はつおばな ほのめかしつついさこころみん
 初めて縁を尋ねる恋
風になびく初ススキのようがほんのり揺れるように、手紙になびいてくれるのなら思いをほのめかしながら試してみよう。

同じ宿坊にて、一晩中炉のそばで口ずさんで詩を詠んで、

寒燈挑尽夜沈々 独臥空牀思禁セ不
為我詩神如有感 松風生砌助愁吟

 

寒燈挑ケ尽シ夜沈々 独空牀ニ臥シ思ヒ禁ゼ不
我ガ為ニ詩神感有ルカ如シ 松風砌リニ生ジ愁吟ヲ助ク

 

寒々しい灯火の芯を何度も掻き立てる夜は静まり返っている。
虚しい床に一人寂しく横たわると、様々な思いがこみ上げてくる。
私のために詩の神様が感動されたかのようだ。
松の風の音が石畳に起こり、私の寂しげな詩を詠む声を助けてくれる。

雪の朝、ある場所の高い楼閣に登って作った詩、

危楼朝上百花鮮 交友無憐詩酒筵
此地逍遥似何処 乱山畳嶂雪嬋娟

 

危楼朝ニ上テ百花鮮ナリ 交友詩酒ノ筵ヲ憐ム無シ
此地逍遥何レノ処ニカ似タル 乱山畳嶂雪嬋娟

 

朝、高い楼閣に登ってみれば、まるで百の花が咲いているかのように雪が鮮やかだ。
しかし、詩・酒の席をともに楽しんでくれる親しい友がいない。
この地で散策している景色はどこに似ているのだろうか。
幾重にも入り組み重なり合う山々の峰、雪が嬋娟と(しとやかに)映えている。

十玉の同宿で十仙という者が、連歌を非常に好んで熱心に催していたとのことである。ある時発句を望まれたので、

まつ日のみ山につもりて雪をそし
待つ日(日数/日の光)ばかりが山に積もって雪をそす(過ごす/殺す)

人々が十五首の歌を詠んだときに、

 川千鳥
とま名川かせさえぬらんゆきかへり こほりをつくるさ夜ちとりかな
 川の千鳥
苫のない川は風が冴えているのだろう 行き帰りに氷を作る夜の千鳥だね

 

 懸樋水
しはの戸ははやいでがての冬されに かけひの水もこほりとぢけり
 懸樋の水
柴の庵の戸から早くも出づらい冬が来て、掛け樋の水も凍り付いてしまった

 

 炉火似春
うづみ火の灰かきわけてむかふ夜は はるのひかりを手にまかせつつ
 炉の火は春に似ている
埋み火の灰をかき分けて向かい合う夜は、春の光が手中にあるようだ

 

 依涙顕恋
せきかぬるわがころもてのなみたゆへ 人のうき名もながれやはせん
 涙によりて恋を顕わす
せき止められない私の袖の涙のせいで、あの人との噂も流れてしまわないだろうか

 

 山海眺望
わたつうみのなみの千さとをへたてきて 山にも見るめからぬ日はなし
 山海眺望
大海原の波の千里のかなたへやってきた。山にも「みるめ」(会う機会/海松布=海草)のない日はない。
  • (中略)
  • 野老沢(ところさは) 観音寺

この場所を通り過ぎて、くめくめ川[15]という場所があった。里の家々には井戸などもなく、ただこの川の水を手で汲んで朝夕使っているのだと聞いたので、

さと人のくめくめ川とゆふぐれになりなば 水のこほりこそせめ
里人が手で「汲む」久米久米川と「いう」「夕」暮れになったので、水も凍ってしまうだろう
  • (中略)

武州大塚という所に滞在していた時、近衛前関白殿下(近衛政家)をはじめとする方々からお手紙が届いた。これを開いて一方では喜び、一方では恋慕の悲しみに沈んで、

従兼君別始看書 異国天涯千里余
忽憶帰期涙先落 待春遊子数居諸

 

兼テ従リ君ニ別レテ始テ書ヲ看ル 異国天涯千里ノ余
忽チ帰期ヲ憶フテ涙先ヅ落ツ 春ヲ待ツ遊子居諸ヲ数フ

 

お別れしてから初めて、あなたからのお手紙を拝見しました。
ここは異国、空の果てのような千里の彼方です。
都へ帰る日のことを考えて、言葉より先に涙が落ちます。
春を心待ちにしている旅人の私は、月日の経つのを指折り数えています。
  • (中略)

十玉のところから、濃い色の紅梅をはじめに見せてくれたので、

こころざしふかくそめつつなかむれは なをくれなゐの梅そいろそふ
志を深く染めるように眺めると、いっそう紅色の梅が色鮮やかになる。

例の老僧が、扇に添える詩歌を所望された。その絵には、山道で雲霧をかき分ける旅人が一本橋にさしかかっているところが描かれていたので、

同遊相引歩徐々 靄霧阻山前路虚
独木橋辺人不見 松間鐘動夕陽初

 

同遊相ヒ引テ歩ミ徐々 靄霧山ヲ阻テ、前路虚
独木橋辺人見ヘ不 松間鐘動ク夕陽ノ初メ

 

ともに旅する人々が手を引き合いながら、ゆっくりと歩んでいる。
もやと霧が山を隠し、前方の道もよく見えない。
丸太橋のあたりには他に人の姿もない。
松の木々の間の鐘が鳴る夕日がさしはじめている。

同じ趣旨を和歌にて書き添えた、

山もとのむらのゆふぐれこととへば またほととをし入あひのかね
山の麓の村の夕暮れどきに尋ねてみると、答える声もなく、またほど遠いところから夕暮れの鐘が聞こえてくる。

野遊のついでに、大石信濃守の館へ招かれて、蹴鞠などを楽しんで夜になったので、二十首の歌を催した際に、

 初春霞
かさならぬはるの日数を見せてけり また一重なる四方のかすみは
 初春の霞
四方の空に立ち込める薄い一重の春霞は、まだ幾日も重なっていない(始まったばかりの)初春の浅い日数を映し出している

 

 帰雁幽
かすみつつ しばしすがたはほの見えて こえよりきゆるかりのひとつら
 帰る雁の幽かさ
春霞にかすんで、しばらく姿がうっすらと見える。声だけで消えていく雁の一列

 

 浦春月
もしほやくうらわのけふりつつきなを かすみてかくせはるの夜の月
 浦の春の月
藻塩を焼く浦和の煙が漂い続けている。春の夜の月よ、霞んで隠せ。

 

 夢中恋
さめてこそおもひのたねとなりにけれ かりそめぶしのゆめのうきはし
 夢の中の恋
かりそめのうたた寝で見た夢の逢瀬だったが、目が覚めてから一層思いの種となったのだ。

 

 後朝恋
かきやりし涙のとこのあさねがみ おもひのすちはわれぞまされる
 逢瀬の翌朝の恋
手でぬぐった涙の残る床の朝寝髪、愛しさに思い乱れる心は私の方が勝っているよ

大石信濃守が、父の三十三回忌ということで様々なお弔い(法要)をしたとお聞きしたので、小さな経典を花の枝に結びつけてお送りするにあたって、

ちりにしは三十三とせの花のはる けふこのもとにとふをまつらん
散っていったのは三十三年目の花咲く春、今日この木の下に弔いに訪れるのを待っていることでしょう。

武蔵野の端に浜さき朝霞市浜崎。という里があった。そこへ行って、

むさし野をわけつつゆけば浜さきのさととはきけどたつなみもなし
武蔵野をかき分けて行くと「浜崎」という里だと聞いたのだが、浜どころか立つ波もない。

この間長らく住み慣れた旅宿を出て甲州へ向かった際、住職が思いのほか名残惜しそうにしていたので、しばらく馬を止めて詠んで送った歌、

たびだちてすすむるこまのあしなみも なれぬるやとにひくこころかな
旅立とうと進める馬の足取りも、住み慣れた宿に心がひかれる
  • 甲斐国→上野国→下野国→陸奥国(松島まで)

注記

  1. ↑ 志木市宗岡。当時は入間郡宗岡村である。
  2. ↑ 狭山市堀兼の井戸
  3. ↑ 高麗郡篠井村(ささいむら)の笹井観音堂(瀧音山泊山寺)。篠井(ささい)は佐西とも書かれた。
  4. ↑ 入間市黒須
  5. ↑ ここでいう大塚は、現志木市柏町五丁目と幸町二丁目にまたがる大塚エリアと考えられる。大塚にはジゴク谷(十玉谷、地獄谷)と呼ばれる谷があり、十玉坊という修験道場があった。なお、十玉坊は後に富士見市水子、清瀬市芝山、富士見市下南畑へと移転した。
  6. ↑ 大石顕重。志木市の長勝院がこの大石信濃守の館の跡ともいわれる。
  7. ↑ この歌の解釈には自信がない。要検討。
  8. ↑ 川越市上戸の常楽寺
  9. ↑ 川越市岸町2丁目の烏頭坂
  10. ↑ 坂戸市石井に勝呂廃寺跡がある
  11. ↑ 新座市野寺。満行寺が野寺の地名の由来である。
  12. ↑ 新座市野火止。現在は平林寺境内に野火止塚があるが、この当時はまだ平林寺が当所に移転してきておらず、塚だけがあった。
  13. ↑ ※『伊勢物語』に「武蔵野はけふはな焼きそ若草のつまもこもれり我もこもれり」とある。主人公(在原業平)が娘をさらって武蔵野へ連れて行き、草の中に隠した。追っ手が火をつけようとしたので、女が詠んだ歌。「武蔵野は、今日は焼かないで 若草の愛する人も隠れています。私も隠れています」という歌。
  14. ↑ 朝霞市膝折。
  15. ↑ 東村山市久米川。このエリアでは柳瀬川はかつてくめくめ川と呼ばれていた。